常勤スタッフ

種瀬 啓士

Keiji Tanese

慶應義塾大学医学部講師、医学博士

略歴/専門/資格

略歴

2001年
慶應義塾大学医学部卒業
慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 研修医
2003年
慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程
2007年
川崎市立川崎病院皮膚科 副医長
2010年
University of Texas MD Anderson Cancer Center Department of Melanoma Medical Oncology Postdoctoral fellow
2013年
慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 助教
2016年
独立行政法人医薬品医療機器総合機構 臨床系審査専門員
慶應義塾大学臨床研究推進センター 助教
2019年
慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 専任講師
独立行政法人医薬品医療機器総合機構 定期専門委員

専門

皮膚病理
主に皮膚腫瘍の病理を中心に学術活動を行っている
皮膚科の薬事
2016年より皮膚科領域の新薬の薬事審査に関与
皮膚科の炎症性疾患
アトピー性皮膚炎・乾癬といった皮膚科の慢性炎症性疾患の専門外来を担当している

資格

日本皮膚科学会認定専門医(2007年)
癌治療認定医(2016年)

受賞歴

2019年
公的機関派遣に対する感謝状(派遣機関:独立行政法人医薬品医療機器総合機構) 日本皮膚科学会より

学会活動

日本皮膚科学会 (代議員 2022年-)

日本研究皮膚科学会 (評議員 2018年-)

日本皮膚病理組織学会 (理事 2022年-)

日本皮膚悪性腫瘍学会

日本癌学会

活動紹介

2003年に大学院生として西川武二前皮膚科教授の指導により、皮膚悪性腫瘍の研究を開始し、坂元亨宇 病理学教授の指導のもとで実験病理学の基礎を学びつつ、腫瘍細胞における発現遺伝子とシグナル伝達経路の解析に従事。毛髪の増殖性幹細胞のマーカーである Leucin rich G protein coupled receptor 5 が基底細胞癌特異的に発現していることを同定した(Am J Pathol 2008)

2010年よりテキサス州立大学MDアンダーソン癌センター、Department of Melanoma Medical Oncologyに3年留学し、Elizabeth A Grimm 博士の元で悪性黒色腫の腫瘍微小周囲環境の解析に従事。悪性黒色種腫におけるmacrophage migration inhibitory factor (MIF)とその受容体であるCD74の相互反応が腫瘍細胞の生存シグナルとして働くこと(J Invest Dermatol 2015)、ステージⅢの悪性黒色腫においてはMIFを発現している症例の予後が不良であること等を明らかにした(Clin Cancer Res 2016)。

帰国後は慶應義塾大学皮膚科に帰室し、悪性黒色腫や乳房外パジェット病の腫瘍進展を予測する種々のバイオマーカ等を報告する一方で(Pathol Int 2015,J Dermatol 2017, J Eur Acad Dermatol Venereol 2017, Med Oncol 2018, Br J Dermatol 2019)、悪性黒色種において MIFとCD74の相互作用が果たす役割の解析を継続し、免疫チェックポイント機構を担う蛋白質Programed cell death ligand-1(PD-L1)の発現を制御していることを報告した(Cancer Sci 2019)。

2016年から3年間、本邦の薬事規制当局にあたる独立行政法人医薬品医療機器総合(PMDA)に出向。審査専門員として皮膚科領域の新薬審査に20品目以上、治験のプロトコール相談に70件以上関わる一方で、レギュラトリーサエンス(科学技術の進歩を真に人と社会に役立つ最も望ましい姿に調整するための予測・評価・判断の科学)の思考法を学び、新薬が承認されるに際して世界の主な新薬規制当局が報告するDrug approval summaryがその後の科学の発展に与える影響について調査報告した(Clin Pharm Drug Dev 2019)。

2019年4月より再び慶應義塾大学医学部皮膚科学教室に帰室。実験病理学的な研究も継続しながら、PMDA勤務で習得した医学データの解釈法をもとに、種々の臨床研究の知見の情報発信に携わっている。

研究成果/論文

代表的な論文

  • Tanese K, Fukuma M, Yamada Y, Mori T, Yoshikawa T, Watanabe W, A Ishikawa A, Amagai M, Nishikawa T, Sakamoto M. G-protein – coupled receptor GPR49 is up – regulayed in nasal cell carcinoma and promotes cell proliferation and tumor formation. Am J pathol.2008;173:835-43.

    [概略]毛髪の増殖性幹細胞マーカーである Leucin rich G protein coupled receptor5が基底細胞癌特異的に発現していることを発見し、それが腫瘍細胞の増殖にも関与していることを報告した。

  • Tanese K,Hashimoto Y,Berkova Z,Wang Y, Samaniegp F, Lee JE, Ekmekcioglu S, Grimm EA.Cell Surface CD74-MIF Interactions Drive Melanoma Survival in Response to Interferon-γ. J Invest Dermatol.2 2015;2 6:3775-2784.

    [概略]悪性黒色腫細胞の表面に発現しているCD74とそのリガンドであるmacrophage migration inhibitory factor(MIF)の相互反応が、インターフェロンγの刺激に対して腫瘍細胞の生存シグナルとして働くことを報告した。

  • Baba Y,Funakoshi T,Mori M,Emoto K,Masugi Y,Ekmekcioglu S,Amagai M,Tanese K.Expression of monoacylglycerol lipase as a maeker of tumour invasion and progression in malignant melanoma. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2017;31:2038-2045.

    [概略]悪性黒色腫の原発巣において、脂質代謝酵素の一つであるmonoacylglycerol lipase の発現が腫瘍の浸潤及び進展に関与していることを報告した。

  • Imaoka M,Tanese K,Masugi Y,Hayashi M,Sakamoto M. Macrophage migration inhibitory factor-CD74 interaction regulates the expression of programmed cell death ligand 1 in melanoma cells.Cancer Sci.  2019;110:2273-2283

    [概略]CD74とMIFの相互反応が免疫チェックポイント機構を担う蛋白質Programed cell death ligand-1(PD-L1)の発現を制御していることを報告した。